Project Crocodile
Training Theory



このページを作った理由は2つある。 それは、

他人の行っている事は あてにできない

ということだ。

そもそも、最初はこんな面倒臭いページなど作るつもりはなかった。 インターネットでトレーニング理論を勉強して、それを実行すれば良いと思っていたのだ。 でも、インターネットを読みあさって行くうち「なんか変?」と思いだした。 なんか書いてある内容が不合理なのだ。 色々調べて分かったのだが、ATという言葉が混同されて使われているのが原因だった。 それもそのはず、ATという言葉、実は Aerobic Threshold (有酸素運動閾値) と Anaerobic Threshold (無酸素運動閾値) の2つの意味を持っているのだ。 専門用語を並べてトレーニング論を講じているページでさえ、この2つのATという言葉をごっちゃにしているようなのだ(分野によって定義が違っていたりする)。
他に

ATとは、無酸運動が始まるポイントで、脚が回わらなくなる

なんていう間違った記述があっちこっちに見られたりする。 他人が言っている事なんて あんまりあてにはならないと言う事が良く分かった。

他人の言う事があてにならないのなら仕方ない、自分で勉強しよう! というわけで、俺が齧った知識をメモ程度としてまとめる事にしたのだ。





インデックス

  1. トレーニングって何よ?
  2. 心拍トレーニング理論の復習(覚え書き)
  3. パワートレーニング理論の復習(覚え書き)
  4. 参照リンク





トレーニングって何よ?

初心に戻って、そもそもトレーニングとは何なのかについて調べてみた。 宇都宮大学水泳部の「Training Advice」のページ [1] によると、トレーニング原理とは、

  1. 漸増的負荷(オーバーロード)
    体力のレベルに応じて次第に運動負荷を増やしていく
  2. 継続性
    一定のトレーニング期間が必要
  3. 個別性
    個人の体力、競技レベル、年齢に適したトレーニングを行う
  4. 全面性
    バランスのとれたトレーニングが効果を上げる
  5. 意識性
    受身のトレーニングをするより、主体的なトレーニングをした方が効果がある
  6. 超回復
    トレーニング計画に休息を取り入れる
ということだそうだ。 なるほど、ただ走れば良いってもんじゃなかったのね。
このページは俺のためのページなので、俺流に解釈しなくっちゃいけない。 そういうわけで、俺流のトレーニング原理とは、
  1. ちょっとだけ頑張ろうぜ
  2. 先は長い、こつこつ行こうぜ
  3. 年には勝てね〜〜ぜ
  4. 色々やっちゃおーーーーッ
  5. MTBで原野を走る自分をイメージするのだッ
  6. 気分が乗らない時にはやらないんだぜ
って事になる。 モーゼの十戒も真っ青!!(^^;

因みに、このページの至る所に「俺のため」とあるが、それはトレーニング原理の「個別性」のためだ。 みんな違うのだ。 だから、他人の真似をするべきではない。





心拍トレーニング理論の復習

ここでは、一応「心拍トレーニング」の基本的な用語についてメモ書き程度に復習しておく。 俺はトレーニングに関する専門家でもなんでもない。 ここに書いてある事は、あくまで今まで勉強して理解した内容だ。 なので、間違って理解した内容も入っている可能性があるので、悪しからず。m(__)m


有酸素運動
食物の消化や脂肪の分解等によって生成されたグルコースが細胞内呼吸によって燐酸、CO2、H2O に分解され、その燐酸を使って ADP を ATP に変えるサイクル。 無酸素運動によって筋肉内に溜まった乳酸も、このサイクルで生成された燐酸を利用してビルビン酸に戻される。 有酸素運動は効率の良い運動であり、無酸素運動の16倍と言われている。


無酸素運動
酸素を必要とせず、ADP を ATP に変えるサイクル。 以下の2系統のサイクルがあり、いずれも可逆変化。

筋肉中には、ATPの約10倍の Creatine Phosphate を蓄積する事ができ、また 骨格筋は筋肉質量の1%のグリコーゲンを蓄積する事が出来ると言われている。 有酸素運動よりエネルギー効率が悪いが、短時間でエネルギーを発生できるので、急激な運動変化等に対応する事が出来る。


Aerobic Threshold
日本語では「AT」とか「有酸素運動閾値」、英語では Aerobic Threshold と呼ばれている。 有酸素運動だけでまかなう事の出来る最大の運動強度で、これ以上では無酸素運動が始まり(無酸素運動に切り替わるわけではない)、乳酸が生成され始める。 心拍数では、最大心拍数の75%程度と言われている。 また、Sports Coach [2] では、Anaerobic Threshold (下記) の心拍数の20拍下が Aerobic Threshold だと解説している。


Anaerobic Threshold
日本語では「AT」とか「閾値」、「無酸素運動閾値」、英語では Anaerobic Threshold と、まあ色々と呼ばれている。 急激に乳酸の蓄積が始まるポイントで(無酸素運動に切り替わるわけではない)、心拍数では、最大心拍数の85−90%程度と言われている。 血中乳酸値は Anaerobic Threshold より低いレベルからでも上がり始めていて、2〜4mmol/l 程度の時が Anaerobic Threshold と思われる [ 3(lost reference) ]。


エネルギー源の種類
運動におけるエネルギー源は以下の様なものがある。

エネルギー源 燃焼方法
筋肉内に蓄積された ATP 体内における最も基本的なエネルギー蓄積形態
筋肉内に蓄積された Creatine Phosphate 無酸素
筋肉内グリコーゲン 無酸素
脂肪 有酸素
食物として取り入れた炭水化物、糖類 有酸素


運動強度とエネルギー源
下図は、運動強度-心拍数のグラフであり、各ゾーンでの運動エネルギー源を示している。


運動時間とエネルギー源

表参照: Sports Coach [2]
Duration (seconds) Classification Energy Supplied By
1-4 Anaerobic ATP (in muscles)
4-20 Anaerobic ATP + CP
20-45 Anaerobic ATP + CP + Muscle glycogen
45-120 Anaerobic,lactic Muscle glycogen
120-140 Aerobic + anaerobic Muscle glycogen + lactic acid
240-600 Aerobic Muscle glycogen + fatty acids

注) CP は、Creatine Phosphate の略で、筋肉内に蓄えられたエネルギー源の一種。 詳細はKimball's Biology Pages の Muscle のページの Fueling Muscle Contraction の項目 [4] 等を参照。


心拍数と運動強度

心拍トレーニングゾーン 最大心拍数に
対する比率[%]
運動強度[%] 効用
E1 65-75 50-60 ウォームアップとクールダウン
E2a 75-80 60-70 基本持久力と脂肪燃焼能力の強化
E2b 80-85 70-80 靱帯や腱の強化、心肺機能の強化
E3 85-92 80-90 無酸素運動能力の強化、対乳酸
トレーニング
E4 92-100 90-100 早筋の強化

運動強度<=>心拍数の換算は、次式を用いる

[運動強度]=100*(HRtarget-HRrest)/(HRmax-HRrest)


HRtarget=(HRmax-HRrest)*[運動強度]/100+HRrest


運動強度比較
下表は、水泳、ランニング(長距離)、サイクリングそれぞれの速度に対するおおよその単位時間あたりの消費エネルギーを示している。

表参照: Sports Coach [2]
種目 速度[km/h] エネルギー消費量[kcal/h]
自転車 25 690
30 850
35 1020
ランニング 13 840
15 970
18 1170
水泳 3 670
3.5 780
4 900


エネルギー源とエネルギー対価、呼吸商
運動時における主なエネルギー源は、脂肪、炭水化物(糖類)、たんぱく質である。 下表は、それぞれの1gあたりのエネルギー対価及び呼吸商を示す。

エネルギー源 エネルギー対価[kcal/g] 呼吸商
脂肪 9.3 0.71
炭水化物(糖類) 4.1 1.0
たんぱく質 5.3 0.85


最大酸素摂取量 -- VO2max(ml/kg/min)

最大酸素摂取量(VO2max)は エルゴメ−タでの測定が一般的だが、12分走からも求める事が出来る。

VO2Max=0.0223d-11.878

ただし、d は12分間全力で走った距離を m で計ったもの。






パワートレーニング理論の復習

SRMパワートレーニングシステムを買ったので 「パワートレーニング」の基本についてメモ書き程度に復習しておく。


20 minutes mean maximal power (20MP)

パワートレーニングにおいては 一定時間持続できる平均最大出力 (mean maximal power) で能力を測る。 主に 20秒(0:20MP)、1分(1:00MP)、4分(4:00MP)、20分(20:00MP) が使われる。 サイクリングにおいては、持久力を測るのに適した 20MP が使われる。 これは ほぼ Anearobic Threshold におけるパワーと考えていいと思う。


Interval Training (referred to SPORTS FITNESS ADVISOR [10])

通常インターバルトレーニングでは、インターバル時間とその強度によって強化される身体の機能が異なってくる。 インターバルトレーニングでのキーポイントは休息している時間の長さである。 有酸素系の効果的なトレーニングには 短時間の休息がポイントであり、反対にスプリント力を得るためのトレーニングでは より長い休息が効果的となる。

以下 Lactate Threshold (LT) トレーニングスピードトレーニング について説明する。 ただし、同じ Lactate Threshold (LT) トレーニング または スピードトレーニング においても異なる方法がいくつかあるので、一例を記述するにとどめる。 詳細は文献、インターネット (SPORTS FITNESS ADVISOR [10]) 等を参照。

Lactate Threshold (LT) トレーニング とは 乳酸耐性を向上させるためのトレーニングであり、基本スピードの向上を目的とする。 低強度/長時間のインターバルが効果的であり、以下がその一例だ:

  1. 休息時間とワーク時間の比は 1:5
  2. 最大出力は20MPの95-105%で10分持続
  3. 休息は2-3分
  4. 3〜5回のインターバルを行う
  5. 週2回程度

スピードトレーニング とは 最大速度を向上させるためのトレーニングであり、いわゆるスプリントトレーニングのこと。 高強度/短時間のインターバルが効果的であり、以下が一例だ:

  1. 休息時間とワーク時間の比は 5:1 以上
  2. 6〜10秒間スプリントの後 少なくとも30〜60秒の休息を入れる(十分脚を回復させるのが重要)
  3. 1セット10回のインターバルで3-5セット程度
  4. 週2回程度





参照リンク

[1] 宇都宮大学水泳部

[2] Sports Coach

[ 3(lost reference) ] 槙本深のホームページ: スポーツ医学講座

[4] Kimball's Biology Pages

[5] CYCLING PERFORMANCE TIPS

[6] MINOURA 大垣レーシング

[7] SportsMed Web: Physiology and Training

[8] 国立循環器病センター: 食事について

[9] MOTORSPORTS MEDICINE: 基礎講座

[10] SPORTS FITNESS ADVISOR: Cycling Training Section