Anaerobic Threshold の心拍数計測方法 (2002年12月11日)

長距離のレースでは、その殆どの時間を有酸素運動でまかなうことになる。 そこで、実践的を目指す俺としては、Anaerobic Threshold の心拍数を計らなきゃいけない・・・しかも出来るだけ簡単にだ。 ここでは3通りの方法をあげてみる。

まず 最初の方法は、コンコー二博士が提唱した方法。 大垣レーシングの「講座」の大津氏が書かれた記事に「コンコー二博士の提唱したAT値の推測方法」が載っている(他の記事も面白いので是非読んでみて)。 抜粋させてもらうと、

  1. アップしておく
  2. ハートレートモニターをセット
  3. 一定のペースでスピードアップ、スピードなら2`、ケイデンスなら5rpmづつ、2分毎に負荷を増す
  4. オールアウトまでがんばり計測終了
  5. パソコンにデーターを入力してグラフを解析
ということだ。 これは、「無酸素運動が始まると 運動強度と心拍数の比率が変わるので、グラフが折れ曲がる」という事を利用している(運動強度とエネルギー源参照)。 とっても面白そう。 是非やってみたい・・・のだが、ローラーを持っていない。(;_;)

第2の方法は、上の方法をちょっとアレンジして、短距離のタイムトライアルを繰り返して計る方法だ。 コンコー二博士の方法は 速度に対して心拍数を計測する のだが、こっちの方法は 心拍数に対して時間を計測する のだ。 当然グラフの傾きが逆になるのだが、屈曲点の心拍数さえ分かれば良いので問題なし。 また、計測時の距離を出て来た時間で割って 速度に換算すると、コンコー二博士の方法と同じようなグラフを得る事が出来る。 やり方は、

  1. アップしておく
  2. 心拍数を一定値まで上げて、タイムトライアルスタート
  3. 心拍数を一定値にキープして一定距離を走り、そのタイムを計る
  4. 少しづつ心拍数を上げながら2と3を繰り返す
  5. グラフを解析する
一見よさげだが、問題点が何ヶ所か有る:
  1. 何回もタイムトライアルしなければいけない
  2. タイムトライアルスタート前に心拍数を一定値まで上げなければならない
  3. 計測中、風向き等のコンディションを一定にできない
a. については、心拍数は極端に上げる必要はないのだが、それでもやっぱり何回もやっているうちに疲れて来る可能性が有る。 b. は、よっぽどサイクリング環境が整った場所でない限り あまり現実的じゃない。 大きな公園等にオーバルコースがあるのが望ましい。

最後のは、トレーニングの中から数値を割り出す方法として 一番良さそうな方法で、水泳で使われているT30という方法をサイクリングに応用するという方法だ。 T30とは、

という方法。 水泳では、30分間泳ぎ切るには有酸素運動でないと無理ってところから来ているらしい。 最初一生懸命泳いでも、直にペースダウンして、結局一定速度に落ち着くのだ。 それが有酸素運動でまかなえる最大速度って訳だ。 この方法ででてくる平均速度は、実際には Anaerobic Threshold の速度より少し大きめになる。 したがって、この速度を保ちながらトレーニングすると 有酸素運動の能力を鍛える事が出来るのだ。

これを自転車に単純に応用するのは無理だ。 何故なら、天候や風向き等のコンディションによって平均速度が変わるからだ。 しかし、平均速度の代わりに平均心拍数をとるとそれらしい数値が出てきそうな気がする。 コンディションが変わって速度は変化しても、運動強度はほぼ一定のはずだ。 改めて書くと

アップした後、1時間できるだけ速く走って、その間の平均心拍数をとる

1時間にしたのは、30分では サイクリングにはちょっと短いと思ったから。 つまり、30分くらいだったら ある程度無酸素運動でも頑張れちゃうってことだ。 でてきた値は 水泳の場合と同じく実際の Anaerobic Threshold の心拍数より少し大きめになるんじゃないかと思う。 トレーニングでは、この値を心拍ゾーンの上限に設定する事により 基本持久力と脂肪燃焼能力の強化を行う事が出来る。 2時間くらいで計測すると 丁度良い Anaerobic Threshold の心拍数が出るんじゃないかと思う。

因みに、Sports Coach では、10kmランの方法を説明している。 これも、原理的には同じ方法だ。