時系列データ解析 基礎編 其の九 - R-R Interval Data への応用 (2008年01月21)

これまで8回にわたって時系列データの解析のあいうえおについて解説してきたが、実はこれらの方法は R-R Interval の解析には歯が立たない。(笑) 理由は、R-R Interval のようなデータは背景にある力学系が複雑すぎて 遅延埋め込み法(delay embedding method)が使えないのだ。

試しに Recurrence Plot を計算してみると下の図-26のようになる。埋め込み空間の次元が10次元、15次元ではある程度周期性が見えるものの 点の塊がまだ全体的に散らばってしまっている。 20次元でもまだ点の塊が散らばった感があるものの、25次元、30次元とほぼ同じようなパターンで周期性が現れている。 これからすると、R-R Interval の埋め込みに必要な次元は m>20 と言える(んじゃないかな?)。

m=10 m=15 m=20 m=25 m=30
図-26

Correlation DimensionInformation Dimension を計算すると下の図-27のようになる。 残念ながら明確には結果が出なかった。 ε<100 で次元が計算されていないのは、14000点のデータ数程度では高次元の空間に埋め込んだとき データ密度が小さくなってしまうからだ。

Correlation Dimension Information Dimension
図-27