時系列データ解析 基礎編 其の参 - 遅延時間(time lag)の求め方 (2007年12月09日)

遅延埋め込み法(delay embedding method) で決めなければいけないことは 次元(dimension) m と遅延時間(time lag) τ だ。 前者は後回しにして、後者から始める。

遅延時間(time lag)を決定する一般的な方法はないらしい。(^^; もし遅延時間(time lag)が時系列データが持つ時間スケールに対して小さすぎる場合、各点の座標成分の相関が強いため データは埋め込み空(embedded space)間の対角線上に集まる傾向になる。 もし遅延時間(time lag)が大きすぎる場合、各点の座標成分に相関がなくなるため 埋め込まれた点は埋め込み空間中(embedded space)に散らばってしまう傾向になる。 結果、得られるアトラクターの形が複雑になる。

一つの指標となるものに 統計解析(statistical analysis) - 其の壱 のところで議論した自己相関係数(auto-correlation coefficient)がある。 最後のところで「この事は後の解析でも必要になってくるので 記憶しておいて欲しい。」と書いたが、自己相関係数(auto-correlation coefficient)で最初に極小点となる遅延時間(delay time)を 遅延埋め込み法(delay embedding method)でも採用すればよいのだ。 実際は、最初に 1/e となる時間を遅延時間(time lag)にとるのが良いらしい。

式(13)、(14)で与えられる時系列データ 図-13 では、遅延時間(time lag)はデータ数で τ=1 が最適のようだ。 下の図-18は、式(13)、(14)で与えられる時系列データ 図-13 を遅延時間(time lag)を変えて2次元空間に埋め込んだものだ。 遅延時間(time lag)が大きくなるにつれて アトラクターが複雑になっていくのが分かる。

図-18